決してメインストリームでは無いけれども、ひと昔前のインターネッツでは「ライブチャット」というジャンルがそれなりに人気を博していた。
令和の現在、ライブチャットと言えば生き残っているサイトはほぼアダルト要素が公に含まれている物ばかり。
画面越しに女性が待機していて、男性がポイントを払って入室する。2ショット、パーティ、のぞき、チップ。そういう男性向けサービスで、むしろそれしか知らないなんて方も今は多いかもしれない。
しかし2000年代辺りのライブチャット黎明期には、ノンアダルトを掲げたサイトも普通にあった。
マシェリ。
ライブでゴーゴー。
DMMライブチャット(おちゃ)
おチャベリ。
その他の小規模サイトたち。
その名前を聞くだけで当時を思い出して少し懐かしい気持ちになる方も多いかもしれない。
そこでは、裸を見せることではなく会話が売られていた。
雑談、相談、疑似恋愛、癒やし、寂しさの穴埋め。ネット上で知らない女性とリアルタイムに話せること自体に価値があった時代のサービスだ。
しかし今現在、ノンアダルトライブチャットサイトはほぼ壊滅している。
理由はひとつではない。
スマホが普及した。SNSが広がった。ライブ配信アプリが出てきた。投げ銭が当たり前になった。女の子が画面の前で話すなら、閉じたライブチャットサイトより、普通に配信者として活動した方が稼ぎやすくなった。
さらに、ノンアダルトと書かれていても、実態はきれいに割り切れなかった。
2ショットチャットではアダルトな空気に流れることもあった。
男性会員から基本の通話ポイントとは別にチップを払うからとエッチな行為を求めるやり取りもあったし、逆に女性の方から進んでおねだりする事もあった。
そして一時期は現役女子高生を売りにしたライブチャットサイトまで登場した事もある。
ノンアダルトライブチャットの盛衰には色んな要素と、そしてドラマがあった。
この記事では恐らく20年余りのライブチャットサイト誕生から現在に至るまでの歴史を少しだけ紐解いてご紹介させて頂こう。
ライブチャットは「配信」ではなく「有料の会話」だった

ライブチャットと今のライブ配信は、似ているようで中身が違う。
今のライブ配信は、多人数に向けた放送に近い。配信者が話し、リスナーがコメントし、ギフトや投げ銭で応援する。人気が出れば、配信者本人にファンが付く。
一方、初期のライブチャットは放送というより、有料の会話だった。
男性ユーザーはポイントを買い、待機している女性を選ぶ。気になる相手に入室し、分単位でポイントを消費する。2ショットなら1対1。パーティチャットなら複数人。のぞき機能があるサイトでは、会話には参加せず見るだけの客もいた。
女性側は、その利用時間やポイント消費に応じて報酬を受け取る。
仕組みだけ見れば、ネット上の接客業だった。
キャバクラの個室を、PC画面の中に移したようなもの。
ただし、ノンアダルトの場合は売り物が曖昧になる。
アダルトなら目的がはっきりしている。人妻系なら年齢や属性で客層を分けやすい。熟女系、マダム系も同じ。だがノンアダルトは、結局のところ「話して楽しいか」「また来てもらえるか」にかかっていた。
ここが難しい。
女の子側からすれば、会話だけで稼ぐには接客力がいる。
男性側からすれば、ただ話すだけなのに分単位で金が減る。
サイト側からすれば、健全さを掲げながら男性向けの欲望も無視できない。
ネット上の雑談相手が少なかった時代なら、それでも成立した。
知らない女性とリアルタイムに映像付きで話せること自体が珍しかったからだ。
しかし、その珍しさは長く続かない。
2000年代にはノンアダルトライブチャットにも勢いがあった

2000年代のライブチャット市場には勢いがあった。
ライブでゴーゴーは、2004年から続くノンアダルトライブチャットの代表的な存在。マシェリも、古いノンアダルト系ライブチャットとして知られた名前だった。DMM、現在のFANZA系にも「おちゃ」と呼ばれるノンアダルト枠があり、アダルトの「あちゃ」、マダム系の「まちゃ」と並んで扱われていた。
この時代のライブチャットは、かなり細かく分かれていた。
- 若い女性と話すノンアダルト系
- アダルト要素のあるライブチャット
- 人妻・熟女・マダム系
- 携帯電話向けのTV電話チャット
- 顔出し任意のメール・音声寄りサービス
- ぽっちゃり系、女子大生系、マダム系など属性を絞った小規模サイト
今から見ると、かなり乱立していた印象がある。
閉鎖や統合で名前だけ残っているサイトも多い。2SHOT.JP、チャットdeバイト、プリンセストーク、ウェブハート、スマートチャットBB、リビング、ラブマシーン、ピーチガール、ラブアクトレス、プリンセス★ボックス、COCOChat、ライブチャットレモン、Pigoo Studio、ダイナマイトライブ、Banana Heart、ジョイント、ティアラ。
人妻・マダム寄りでは、人妻ライブチャットディア、Club EXSHOT、熟PIAといった名前もあった。ミックス系では、マダムはなこ、ぽちゃっと、ゴッドハンド、ライブチャットクロネコ、ライブ&チャット、ライブチャットファイン、Acamなども記録に残る。
名前の並びだけで、当時の空気が伝わる。
今の洗練されたアプリ名とは違う。少しベタで、少し怪しく、少し安っぽい。だが、それが当時のネット副業、在宅ワーク、男性向け有料コミュニケーションの現場だった。
ノンアダルトライブチャットも、その流れの中に確かに存在していた。
「脱がなくていい」
「会話だけ」
「在宅でできる」
「初心者でも始めやすい」
女性向けの求人では、そういう文句が並んだ。アダルトに抵抗がある女性でも、会話ならできる。顔出しと雑談だけなら、普通のアルバイトより高く稼げるかもしれない。そう思わせる入口として、ノンアダルトは強かった。
ノンアダルトは「健全」だから伸びたのではなく「入口」だった

ノンアダルトライブチャットは、よく「安心」「健全」「会話だけ」と紹介されていた。
確かに、アダルト行為を禁止しているサイトはあった。ライブでゴーゴーのように、ノンアダルトを前面に出して長く続くサービスもある。
ただ、市場全体で見ると、ノンアダルトは独立した巨大ジャンルにはなりきれなかった。
理由は、ユーザーの目的と女性側の収益がずれやすいからだ。
男性ユーザーは、わざわざポイントを払って女性と話す。普通の雑談だけを求めている人もいたはずだが、距離の近さ、疑似恋愛、少し踏み込んだ会話を期待する人も多い。
女性側は、ノンアダルトなら始めやすい。
でも、稼げるかは別問題。
アダルトの方が単価は高い。人妻系や熟女系の方がターゲットも明確。ノンアダルトだけで稼ぐには、常連を作り、会話を続け、相手の期待をうまく受け流しながら離さない技術が必要になる。
当時のノンアダルトライブチャットのシステムは男性側は1分100円を支払い、チャットレディーには1分50円~65円辺りの報酬が支払われるシステムが多かった。
つまりは1時間男性会員とお話し続ければ女性側には3000円の収入になった訳で、売れっ子チャットレディーになれば地方のスナックやキャバクラよりも稼ぎは良かったかもしれない。
2ショットの中ではノンアダルトの境界も曖昧になった

ノンアダルトと書かれていても、実態まで完全にノンアダルトだったとは限らない。
ライブチャットには、1対1で話す2ショットという形式があった。表向きは雑談、相談、疑似恋愛、癒やし系の会話サービスでも、密室に近い2ショットになると空気は変わる。
サイト側は規約上、アダルト行為を禁止している。女性側の募集にも「ノンアダルト」「脱がなくてOK」「会話だけ」と書かれる。
だが、男性ユーザーの中にはそれ以上を期待して入ってくる人もいる。女性側も、常連をつなぎ止めるために、きわどい会話へ寄せることがある。監視の目が届きにくい2ショット内で、ラインを越えてしまうケースもあった。
さらに、この手のやり取りでは、基本の通話ポイントとは別にチップが絡むこともあった。
男性側は分単位のポイントを消費して入室している。そこに加えて、女性側から「チップくれたらもう少し」「応援してくれたら特別に」といった形で、追加の支払いを求められる。表向きは応援やお礼のチップでも、実際には2ショット内の期待値を引き上げるための別料金のように機能することがあった。
ここが、ノンアダルトライブチャットのややこしいところだ。
- 看板はノンアダルト
- 客層は男性向け有料チャット
- 料金は分単位
- 2ショットは閉じた空間
- そこにチップ文化が混ざる
- 稼げる女性ほど相手の期待を読んで動く
こうなると、完全に健全な雑談サービスとしてだけ見るのは無理がある。
もちろん、すべてのノンアダルトライブチャットがそうだったわけではない。会話だけで常連を作っていた女性もいたはずだし、真面目にアダルト禁止を守っていたサイトもある。
ただ、ノンアダルトという看板の裏に、男性向け有料サービス特有のグレーな期待が入り込んでいたのは確かだ。
だからこそ、ノンアダルトライブチャットは微妙な立ち位置にあった。
完全な一般配信ではない。
かといって、堂々とアダルトを売るわけでもない。
健全さを掲げながら、実際には男性の欲望と追加課金の空気を相手にする商売でもあった。
ちなみに筆者はノンアダルトライブチャットを出会いの場として使っていた、
ライブチャットと言う物に慣れて来るとライティングや服装で「完全に仕事と割り切ってて絶対にリアルで出会えないタイプ」と「会えるガードの緩さがあるタイプ」の見分けがある程度付くようになる。
出会えそうな雰囲気の子が見つかったら30分程まずは喋って見て脈がありそうかを探り、無理そうだったら撤退、いけそうだったら少し日を開けて再度会話。
そんな感じで「長時間は離さない」「けれどちょくちょく来る害の無さそうな奴」を演じてしばらくしたら食事に誘うと言うある種王道な攻め方をしていた。
当時は出会い系サイトが全盛期だったけれども、実際に合うまでどんなのが来るか分からない出会い系サイトとは違い顔を見て選べるライブチャットは同じ課金をするんでも出会い系サイトよりも自分には合っていた。
「現役JK」と話せるライブチャットまで出てきた

ノンアダルトライブチャットが過激化した象徴として、現役女子高生を売りにしたライブチャットサイトもあった。
代表的な名前として記録に残るのが、女子高生チャットやJKLIVEだ。
今の感覚だとかなり危ういが、当時は「現役女子高生と話せる」「女子高生限定」「ノンアダルト」といった看板で集客していた。仕組み自体は、通常のライブチャットと大きく変わらない。
男性会員がポイントを消費して入室する。
女の子側は、その一部を報酬として受け取る。
2ショット、パーティチャット、のぞき、メール、チップ。
すでにライブチャットにあった課金の仕組みを、そのまま女子高生限定の看板に載せた形だった。
ここで問題になるのは、ノンアダルトかどうか以前の話だ。
未成年を売りにして、男性向けの有料チャットに出す。
しかも1対1の2ショットがある。
料金は分単位で動く。
チップや追加報酬も絡む。
サイト側がアダルト行為を禁止していたとしても、構造としてかなり危うい。
男性側は「現役女子高生」と話せることに金を払っている。女の子側は、相手を長く引き留めるほど報酬につながる。そこに2ショットの密室感が入る。
表向きは健全な会話サービス。
でも、実態は未成年性を集客材料にした男性向け課金サービス。
このズレが大きかった。
JKLIVEは2010年ごろに登場し、2012年ごろには閉鎖したとされる。求人紹介系の記録では「jk-live.tv」や「女子高生ライブTV」といった表記も見られるが、ここでは当時の文脈に合わせてJKLIVEとして扱う。
女子高生チャットも、2000年代から続いた女子高生限定ノンアダルトライブチャットとして記録が残り、2013年ごろにはサービス終了したとされる。関連サイトや姉妹サイトも含め、この手の「現役JKライブチャット」は長くは残らなかった。
理由は分かりやすい。
未成年を前面に出した時点で、ノンアダルトという看板だけでは守りきれない。利用者の期待、女性側の報酬、2ショットの閉鎖性、チップの駆け引き。これらが重なると、ただの雑談サービスでは済まなくなる。
ちなみに私はどちらとは言わないけれど、サイトの運営者の方と一度お会いして色々話したことがある。
中々に個性的な方で、なるほどこういう方だからこのサービスを立ち上げられたんだろうなと色んな意味で納得した。
スマホとSNSが「ライブチャットである理由」を弱くした

ノンアダルトライブチャットにとって、一番大きかったのはスマホの普及だった。
PCとWebカメラが必要だった時代、ライブチャットには設備の壁があった。サイトに登録し、カメラを用意し、決まった画面で待機する。男性もPCの前に座って、ポイントを買って入室する。
ところがスマホになると、配信のハードルが一気に下がった。
スマホを立てて、アプリを開けば配信できる。視聴者もスマホで見られる。しかも、1対1に閉じる必要がない。ひとりの配信者に、何十人、何百人が集まれる。
この時点で、ノンアダルトライブチャットの強みはかなり削られた。
会話だけなら、ライブ配信でいい。
ファン作りなら、SNSと配信アプリでいい。
お金をもらうなら、ギフトや投げ銭でいい。
顔を売るなら、閉じたライブチャットより外の配信の方がいい。
SHOWROOM、LINE LIVE、17LIVE、Pococha、ふわっち、ニコ生、YouTube Live。2010年代後半には、配信者が自分の番組を持てる場所が一気に増えた。
ここで女の子側の考え方も変わる。
ライブチャットでは、男性客に選ばれるのを待つ。
ライブ配信では、自分のファンを育てる。
この差は大きい。
前者は接客業に近い。
後者はタレント活動に近い。
もちろん、配信アプリにも接客要素はある。コメントを拾い、名前を呼び、常連を大事にし、ギフトを促す。やっていることは近い。
けれど肩書きだけでなく将来の展望が全く違う。
ライブチャットで幾ら売れても結局はチャットレディーでしか無い。
しかし配信サイトで売れっ子になればYoutuber、インフルエンサー、それどころかアイドルになる事も可能。
そう考えると女の子達、それもやる気のある子程ライバーの方に流れていくのは当然なのだ。
投げ銭はノンアダルトライブチャットの上位互換に見えた

投げ銭の仕組みは、ノンアダルトライブチャットの弱点をうまく潰していた。
ライブチャットは、基本的に時間課金。男性が入室してくれないと収益になりにくい。待機時間が長くなることもある。1対1で相手をする場合、ひとりの客に時間を取られる。
一方、ライブ配信のギフトや投げ銭は、同時に複数人から受け取れる。1人が大きく投げることもあれば、複数人が少しずつ投げることもある。
コメント。
ランキング。
イベント。
ファンバッジ。
毎日配信。
推し活。
稼がせる仕掛けが、ライブチャットより分かりやすく見えた。
女の子側からすると、かなり魅力的だったはずだ。
顔を出して話す。
雑談する。
常連を作る。
名前を覚える。
相手を喜ばせる。
やっていることは似ている。だが、ライブ配信なら配信活動になる。ライブチャットならチャットレディになる。この肩書きの差は、想像以上に大きい。
しかも配信アプリでは、女性だけでなく男性も配信できる。歌、ゲーム、雑談、コスプレ、アイドル活動、VTuber、ラジオ配信。ジャンルが広い。
ノンアダルトライブチャットのように「男性が女性に会いに行く」構造だけではない。
これにより、ノンアダルトライブチャットは古く見えるようになった。
同じようなことをしているのに、片方は新しい配信文化。もう片方は昔ながらの男性向け課金チャット。
サービスの中身以前に、看板で負けた。
アダルトライブチャットだけが残りやすかった理由

では、なぜライブチャットという形式はアダルト側で残りやすかったのか。
これは簡単で、目的がはっきりしているからだ。
アダルトライブチャットは、一般のライブ配信アプリでは代替しにくい。YouTube LiveやPocochaでできないことが、アダルトライブチャットでは商品になる。
ここには、閉じた場所である意味がある。
一般のSNSで拡散されたいわけではない。
表の配信文化に乗りたいわけでもない。
男性側も、目的を隠さず入れる場所がほしい。
女性側も、単価が高いなら割り切って働ける。
アダルト、人妻、熟女、マダム系は、ライブチャットという古い形式と相性がいい。むしろ閉じているから成立する。
一方、ノンアダルトはそうではない。
雑談、相談、疑似恋愛、ファン作り、顔出し配信。これらは一般の配信アプリに奪われやすい。しかも、そちらの方が若く見える。外に出しやすい。SNSともつながる。
そのため、ライブチャットとして残りやすいのはアダルト側になる。
もちろん、ノンアダルト系が完全に消えたわけではない。ライブでゴーゴーのような老舗もある。マシェライブのように、配信アプリ寄りへ変化したサービスもある。おチャベリのようなスマホ通話・チャット系も残っている。
ただ、ジャンル全体の主役はもうそこではない。
ライブチャットという言葉を聞いたとき、多くの人がアダルトを連想する。
これが今の実態に近い。
ノンアダルトライブチャットは消えたのではなく、配信アプリに吸収された

ノンアダルトライブチャットは、完全になくなったわけではない。
ただ、昔のように「ライブチャットサイト」として独立した顔を持つ必要がなくなった。会話中心の女性向け副業は、メールレディ、通話アプリ、ビデオ通話アプリ、ライバー事務所、配信アプリへ散らばった。
マシェリがマシェライブやトーク系のアプリ文脈に寄っていったことも、その流れの一部に見える。おチャベリのようなスマホネイティブの通話・SNS寄りサービスも同じだ。
女性と話す。
常連になる。
メッセージを送る。
通話する。
ギフトを送る。
画面越しに距離を縮める。
この欲望自体は消えていない。
消えたのは、PCの前で女の子が待機し、男性がポイントを払って入室する、そんな前時代的なシステムだけである。
今はそれがスマホアプリに分解され、配信文化に溶け、通話アプリやSNS風サービスへ移った。
そして、古い「ライブチャット」という名前だけは、アダルト側に強く残った。
あとがき
ノンアダルトライブチャットの歴史は、ネット副業の歴史でもある。
最初は、家にいながら男性と話すだけでお金になるという分かりやすい仕事だった。Webカメラが珍しく、テレビ電話に近い体験そのものに価値があった。男性側も、画面越しに女性と話せるだけで新鮮だった。
だが、ネットはすぐに日常になった。
誰でもスマホを持ち、誰でも配信できるようになり、SNSで知らない人と話すことも珍しくなくなった。女の子がカメラの前で話すだけなら、ライブチャットサイトに縛られる理由が薄くなった。
ノンアダルトライブチャットは、アダルトほど目的が強くない。
一般ライブ配信ほど開かれてもいない。
その中間にあったからこそ、時代が進むと居場所が狭くなった。
さらに、内側にも危うさがあった。
2ショットでは、ノンアダルトの境界が曖昧になる。チップが絡むと、ただの雑談ではなく駆け引きになる。未成年性を売りにした女子高生チャットやJKLIVEのようなサービスまで出てくると、もはや「健全な会話サービス」という看板だけでは説明できない。
ノンアダルトライブチャットは、配信アプリに負けた。
それは確かにある。
でも、それだけではない。
男性向け有料会話としての構造が、時代に合わなくなった。
健全さと欲望の間で、説明しづらくなった。
女の子側にとっても、チャットレディよりライバーの方が名乗りやすくなった。
画面越しに誰かと話したい欲望は消えていない。
むしろ、今の方が広がっている。
ただ、その受け皿が変わった。
閉じたライブチャットサイトから、開かれた配信アプリへ。
ポイント制の2ショットから、ギフトと投げ銭の推し文化へ。
チャットレディから、ライバーへ。
ノンアダルトライブチャットの盛衰は、古いサービスが単に消えた話ではない。
ネット上の有料会話が、配信文化に飲み込まれていった話である。


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