昔のテレビには、今では考えられないようなお色気番組やセクシーな企画がたくさんあった。
水着の女性たちが騎馬戦をする、女性タレントがお風呂に入る、深夜になると裸に近い格好のお姉さんが登場する。そんな時代のテレビを覚えている人も少なくないだろう。
ただし、そこで起きる「ポロリ」の多くは、最初から用意されたお約束の演出だ。テレビ局が意図して乳首を見せているのなら、少なくとも今回探している放送事故とは違う。
では、本当にテレビ局や出演者が意図していないのに、乳首や性器がそのまま放送されてしまったことはあるのか。
調べてみると、これが意外とある。テレビ局が謝罪したものから、出演者が何十年もたってから裏話を明かしたものまで、なかなか興味深い事例が見つかった。
女性の乳首や陰毛が映ってしまった放送事故
まずは、女性の胸や下半身が意図せず露出したとされる事例から。90年代の深夜番組で語り継がれている事故から、比較的最近の生放送で起きたハプニングまである。
2000年『エブナイ』本城小百合の陰毛が初回放送で露出
2000年10月にフジテレビで始まった深夜バラエティー番組『エブナイ』。若手芸人たちが日替わりで出演し、曜日ごとに異なる企画を展開していた番組だ。
フジテレビの公式番組紹介によると、水着ギャルを登場させる企画や、ニュースとエロスを組み合わせた企画など、深夜らしい内容が売りだった。
ところが、この番組の第1回放送で、AV女優の本城小百合の陰毛が映ってしまったという記録が残っている。
放送事故の回顧サイト「放送事故、ハプニング タレコミコーナー」によれば、事故が起きたのはビールかけを行っている最中。前貼りが外れてしまったらしく、そのまま陰毛が露出したという。
同サイトには、初回の事故後、第2回から急におとなしい番組になったという記述もある。
ただし、事故の発生状況や番組内容の変更については、テレビ局の公式説明などによる裏付けまでは確認できていない。現時点では、当時の放送事故として残されている回顧記録である。
なお、『エブナイ』は初回で番組そのものが打ち切りになったわけではない。フジテレビの公式サイトには、平日版が2001年3月22日まで放送されていた記録が残っている。
もし初回の事故で特定の企画が終了したのだとすれば、番組自体の終了とは分けて考える必要がありそうだ。
出典:放送事故、ハプニング タレコミコーナー「エブナイ」/フジテレビ公式『エブナイ』番組紹介
1990年代『ロバの耳そうじ』チチダスMiMiの衣装が外れて下半身が露出
1994年に始まった日本テレビの深夜番組『ロバの耳そうじ』も、当時を知る人には懐かしいお色気番組のひとつだろう。
この番組には、胸を露出させながら天気予報を伝える「ロバミミWEATHER NEWS」というコーナーが存在した。
担当していたのは、チチダスMiMiの名前で活動していた水原美々。もともと胸を見せるのは番組の演出だったが、ある日の放送では予定外の部分まで露出してしまったという。
回顧サイトによると、事故が起きたのは東京都内の雀荘で天気予報を行っていたとき。
雨の予報を伝えたあと、湿度を紹介するためにお尻を出したところ、衣装の仕掛けが外れ、下半身の前側まで見えてしまったという。
スタッフが慌てて隠そうとしたものの間に合わず、本人は半泣きになっていたとの記述も残されている。
胸の露出は番組の予定どおり。しかし、衣装が外れて下半身まで映ってしまったのであれば、こちらは完全に予定外のハプニングである。
この事故についても、詳しい放送日やテレビ局側の説明までは確認できていないため、回顧サイトに残された情報として紹介しておく。
ちなみに『ロバの耳そうじ』には、開脚しながらニュースを読むことで人気となったローバー・美々という女性も出演していた。番組を振り返る際によく登場する名前だが、今回の記録に登場するのはチチダスMiMiのほうである。
出典:放送事故、ハプニング タレコミコーナー「ロバミミWEATHER NEWS」/チチダスMiMi(水原美々)のCD紹介・活動記録
迷路亭愛胸を出すのは予定どおりなのに、それ以上のものが見えたら放送事故になるのね。なかなかすごい時代だわ。
2021年『グッとラック!』フワちゃんの乳首が生放送中に露出
2021年2月26日、TBS系の朝の情報番組『グッとラック!』に出演していたフワちゃんの乳首が、生放送中に露出するハプニングが発生した。
本人の説明によると、当日は感染症対策の換気によってスタジオ内が寒かったため、スポーツブラの内側にブランケットを入れて暖を取っていたという。
ところがブランケットが下へずれてしまい、それを直そうとしてスポーツブラまで下に引っ張っていた結果、上から乳首が出てしまった。
本人は番組中に謝罪。共演していた市川海老蔵(当時)は気づいていたものの、セクハラになることを気にして指摘できなかったという。
さらに2021年3月3日には、自身のYouTubeチャンネルで事故の経緯を詳しく説明している。
実際の放送事故について、本人がここまで詳しく話しているのは珍しい。
出典:RBB TODAY「乳首ポロリはブランケットのせいだった?」/J-CASTニュース「生放送ポロリ事件を絶叫謝罪」
男性器がそのまま映ってしまった放送事故
ここからは男性編。女性の乳首や陰毛とは違い、男性器についてはテレビ局の正式な謝罪や当時の報道が残っている事例が多い。
1996年 NHK大河ドラマ『秀吉』竹中直人のふんどしから男性器が露出
意外なところでは、NHKの大河ドラマでも男性器が映ってしまったことがある。
1996年に放送された大河ドラマ『秀吉』の第1話。主演の竹中直人が、大仁田厚の演じる蜂須賀小六に抱き上げられる場面で事故が発生した。
竹中は撮影前、衣装担当者がきちんと締めてくれたふんどしを、役柄に合わないと考えて自ら緩めていたという。
その結果、抱き上げられた際にふんどしがずれ、男性器の一部が映ってしまった。
さらに驚くのは、制作スタッフが撮影後のモニター確認で映り込みを認識していたことだ。
しかし、暗い場面であり、そこまで注意して見る人もいないだろうという判断から、そのまま放送されたという。
ところが放送後、視聴者から指摘が寄せられ、ニュースになる騒ぎへ発展した。
こちらは文春オンラインが2021年に詳しく振り返っている。生放送の事故ではなく、撮影後の確認でも発見されていたのに放送されてしまったという珍しい例だ。
出典:文春オンライン「ハミチン事件を経てなお『竹中直人にやりすぎはない』」
2003年『FNS27時間テレビ』笑福亭鶴瓶の男性器が約1秒間映る
テレビの放送事故として有名なのが、2003年6月29日未明に発生した笑福亭鶴瓶の男性器露出騒動だ。
フジテレビ系『FNS27時間テレビ みんなのうた』で、鶴瓶は離島を訪れて現地の人々と交流していた。酒を飲んで酔った鶴瓶は、パンツ姿で眠り込んでしまう。
その後、スタジオからの呼びかけで目を覚ました鶴瓶が立ち上がると、掛け布団と一緒にパンツがずり落ち、男性器がカメラに映ってしまった。
カメラの切り替えが間に合わず、露出した映像は約1秒間、全国に生放送された。
この事故は放送倫理・番組向上機構(BPO)の公式サイトに、フジテレビ側の説明が現在も残っている。
フジテレビは予想外のハプニングだったと説明し、高島彩アナウンサーが番組中に謝罪した。
ちなみに鶴瓶は2024年のラジオでもこの事故に言及。いまだに言われ続けることを嘆いていたという。
さらに2025年には、桂小文枝のYouTubeチャンネルに鶴瓶と明石家さんまが登場し、当時の出来事を振り返っている。
出典:BPO「2003年8月 青少年委員会」/日刊スポーツ「さんま、鶴瓶の露出事件に言及」
2000年代『内村プロデュース』有吉弘行がモザイク処理の失敗を告白
テレビ朝日系の人気バラエティー番組『内村プロデュース』でも、男性器がそのまま映ってしまったことがあるという。
2022年3月13日放送のラジオ番組『有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER』で、有吉自身が当時の出来事を明かしている。
問題となったのは、温泉で行われていた「だるまさんが転んだ」の企画。
出演者たちが裸で動き回るため、当然ながら編集でモザイクを施していた。しかし、動きが激しすぎたのか、一部で処理が追いつかず、男性器が映ってしまったことがあったという。
生放送ではなく収録番組だったにもかかわらず、編集をすり抜けてしまった例だ。
ただし、有吉が話した事故の具体的な放送回までは特定されていない。
出典:ラジサマリー「有吉弘行、『内村プロデュース』でモザイク処理が間に合わなかったと明かす」
2012年『モヤモヤさまぁ~ず2』大竹一樹の男性器が0.07秒間映る
2012年11月4日、テレビ東京系『モヤモヤさまぁ~ず2』では、さまぁ~ずの大竹一樹の下半身が無修正で放送される事故が発生した。
問題となったのは露天風呂でのロケ映像。大竹の下半身が映っていたにもかかわらず、編集スタッフが見落とし、通常行うモザイク処理を施さずに放送してしまった。
日刊スポーツの報道によると、露出していた時間はわずか0.07秒間。
普通にテレビを見ていて気づけるのか疑問に思うほどの短さだが、視聴者からテレビ局へ問い合わせが寄せられた。
テレビ東京は編集ミスを認め、大竹本人に説明と謝罪を行ったほか、視聴者に対しても謝罪している。
出典:日刊スポーツ「モロ出しチン騒動 テレ東が大竹に謝罪」(2012年11月8日)
2012年『東西芸人いきなり!2人旅』アンガールズ田中の男性器がモザイクからはみ出す
2012年放送の朝日放送『東西芸人いきなり!2人旅』でも、アンガールズ田中卓志の下半身が映ってしまったと報じられている。
この番組では、あまり接点のない芸人同士が2人旅をする企画が行われていた。
田中が一緒に旅をした相手は、お笑い芸人の石田靖。旅の終盤には2人で温泉に入り、裸でふざけ合うほど打ち解けていたという。
ところが、温泉の場面で田中の下半身に施したモザイクがずれており、男性器の一部が映ってしまったというのだ。
この話は2020年の内外タイムスの記事で紹介されている。ただし、テレビ局による謝罪や当時の編集記録までは確認できていない。
2020年『爆笑ヒットパレード』アンガールズ田中が元旦の生放送でポロリ
アンガールズ田中卓志は、2020年にも男性器を露出するハプニングを起こしている。
事故が発生したのは、2020年1月1日放送のフジテレビ系『爆笑ヒットパレード』。
ラグビーを模したゲーム企画で、ナインティナインの岡村隆史やロッチの中岡創一らと、顔面でラップの壁を押し出す「顔面ラップスクラム」に挑戦していた。
出演者たちが体を押し合ううちに田中の下半身が露出。カメラがその姿を追っていたため、股間が映ってしまった。
異変に気づいたスタッフや共演者たちは慌てて田中の股間を隠し、佐野瑞樹アナウンサーが視聴者に謝罪した。
田中本人は、押されただけで露出した自覚はなかったと説明している。
出典:J-CASTニュース「アンガールズ田中、新年早々に生放送で股間ポロリ」(2020年1月1日)
2023年『景気満開テレビ』銭湯の生中継で一般男性の陰部が映る
2023年12月31日、フジテレビ系『大みそか列島縦断LIVE 景気満開テレビ2023』では、思わぬところで一般男性の下半身が映ってしまった。
番組では東京都内の人気銭湯を紹介する生中継を行っていた。
ところが、中継先の映像に切り替わった瞬間、男湯の浴室からガラス越しに脱衣所が映り、陰部を隠していない男性客の姿が放送されてしまった。
映像はすぐに切り替えられたものの、現場にいた山本賢太アナウンサーが謝罪。その後、スタジオの三上真奈アナウンサーも不適切な映像が流れたとして謝罪した。
芸能人のハプニングとは違い、普通に銭湯を利用していた一般男性が、意図せず全国放送されてしまったという事故だった。
出典:スポニチ「景気満開テレビ 生中継で放送事故」(2023年12月31日)/日刊スポーツ「フジテレビが謝罪 銭湯生中継で男性の下半身映り込み」
ポロリ騒動になったものの、実際には違っていた事例
ネット上には「乳首が映った」「女性器が見えた」と話題になりながら、後から別の事情が判明した事例もある。
2020年『アイ・アム・冒険少年』フワちゃんの乳首はガムテープだった
2020年5月25日放送のTBS系『アイ・アム・冒険少年』では、水着姿のフワちゃんの乳首が見えたとして話題になった。
本人もSNSで驚きを投稿したことから、本当に乳首が映ったと思った人も多かったようだ。
ところが翌日、フワちゃん本人がガムテープを貼っていたため、本物の乳首ではなかったと訂正している。
出典:JEWELRY LIFE「フワちゃん放送事故」※本人の当時の訂正投稿を引用
2013年『FNS27時間テレビ』森三中・大島美幸のポロリ騒動
2013年8月4日、フジテレビ系『FNS27時間テレビ』で、森三中の大島美幸が女性風呂から生中継を行っていた際に、巻いていたバスタオルがはだけ、乳首が見えたとして話題になった。
当時のデイリースポーツもハプニングとして報じている。
ただし、大島本人は後にニップレスを着用していたと説明。さらに放送前の制作発表では、大胆なパフォーマンスを予告していた。
そのため、完全に予想外の事故だったのか、どこまでが演出だったのかは判断が難しい。
出典:デイリースポーツ「森三中の大島 生放送でハプニング」(2013年8月4日)
女性器がそのまま映った放送事故はあるのか?
男性器についてはテレビ局が認めた事故が複数見つかった一方で、女性器がそのまま映った事例は、確認できる資料が少ない。
前述の『ロバの耳そうじ』には、衣装が外れて下半身が露出したという回顧記録がある。しかし、当時の放送映像やテレビ局側の説明までは確認できていない。
また、女性が生放送中に突然下半身を脱いだという話なら、別の番組にも存在する。
『三宅裕司のいかすバンド天国』で女性ボーカルが突然下半身を脱ぐ
1989年に放送が始まったTBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』、通称『イカ天』では、番組の初回からとんでもないハプニングが起きていたという。
司会を務めていた三宅裕司が2022年のラジオや2024年のテレビ番組で語ったところによると、出演した女性ボーカルが審査結果に怒り、突然下半身の衣服を脱いでしまったことがあった。
生放送中の出来事だったが、カメラはすぐに天井へ向けられ、続いて三宅の顔のアップへと切り替わった。
そのため、スタジオでは女性が下半身を露出したものの、女性器そのものがテレビ画面に映ったと確認できる事故ではない。
出典:デイリースポーツ「三宅裕司 イカ天生放送で出演者が放送事故級の行為」/TOKYO FM+「三宅裕司がイカ天初回放送を振り返る」
テレビの放送事故は本当に起きていた
調べてみると、単にネットで騒がれただけではなく、テレビ局が謝罪したものや、当事者が後年に振り返っている事故がいくつも見つかった。
特に意外だったのは、すべてが生放送中の事故ではないことだ。
収録済みの番組でも、モザイク処理の見落としや衣装の不具合によって、予定外の映像がそのまま放送されてしまうことがある。
もっとも、大竹一樹の事故は0.07秒、笑福亭鶴瓶の事故でも約1秒。普通にテレビを見ていて気づけるかどうかも怪しい長さである。
そう考えると、世間に知られていないまま終わった事故がほかにもあったとしても不思議ではない。
今回は当時の報道や放送局の記録、本人の証言、そして古い深夜番組の回顧資料を中心に紹介した。現在まで残っている情報だけでも、なかなか濃いテレビ史の一面が見えてくる。


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